地下鉄の叙事詩 津村記久子 感想

満員電車で通学、通勤する人たちの話。異様な質感を持つ小説だった。それは多面的な世界を描くことによって成り立ったものというより、日常で切り離されているものを描こうとする意志からくる手触りなのだろうか。 電車は人間が大勢乗っており、人間一つひと…

アレグリアとは仕事はできない 津村記久子 感想

コピー機の「アレグリア」にOLがイライラをつのらせ、それを巡って、周囲の人間関係が展開されていく、といった話。孤立した怒りが最終的に他者と共有される。 機械という人間ではないものに対して他者性を抱いている。それもロボットとかではなく、コピー機…